前編 / 後編
本記事はオーバーウォッチ攻略と無関係な内容になります。
ゲーム性もさることながら、その作り込まれた世界観に触れないなんて考えられません。
多くのプレイヤーに愛されるマップを世界観の切り口から取り上げたいと思います
「伝統」と「近代化」が溶け合う都市
ロンドンを思わせるキングス・ローはイギリスを舞台にしたマップです。
時計塔が街を見下ろし、その街並みは石畳みで支えられています。
石畳みから感じる歴史と伝統とはうらはらに、きらびやかなシアター、絢爛豪華なホテルが発展と近代社会としての側面を表しています。
世界観を知らずに、普通にプレイしているだけだと、上のようなイメージを抱くぐらいでしょう。
まぁせいぜい、なんかしらない金ピカ像があるとか、雰囲気のある裏路地があるとか、最後は工業地帯みたいなところにペイロードを運ぶとか、その程度ではないでしょうか?
以下では、キングスローというマップ・物語の裏側に迫り、みなさんをディープなオーバーウォッチ世界にご招待したいと思います。
マップにただよう不穏なムード
キングスローに立つと、社会発展に成功した素晴らしい街、そんなイメージを感じます。
ですが、マップのすみずみに注目してください。
なんだかおだやかではないムード、気配を感じます。
もうお気づきかもしれませんね。
キングスローはたしかに近代化に成功した社会です。
しかし、現在の我々社会と同じく、黒く深い影も作ってしまいました。
――― 自分たちと異なる存在は受け入れられない。
「差別」です。
キングスローには強い「オムニック差別」が根付いているのです。
ヌンバーニでルシオをピックすると印象的なセリフを聴けます。
幸せを表現する実に良いセリフです。
同時に ”そうでない社会” の闇の深さを感じてしまいます。
ここじゃみんな自由に暮らしてる、いい街だなぁ!
ルシオ(ヌンバニでピック時)
オムニックと人間にはしる緊張 ――― なぜ?
人類の発展のためとして作られたロボット「オムニック」は、奇跡的に「目覚め・覚醒」を起こし、自我が芽生えます。
(この話はシャンバリを取り上げる時に話します。)
生物として扱われ始めたオムニックは、人類と同様に都市部に暮らすようになります。
貧しいながらも、魂を持ったオムニックは少しずつ人間と融和していくかに見えました。
あの事件が起きるまでは―――
単純機械ではない考えることのできるオムニックを兵器として開発を進める企業が存在しました。
次第に人類はお互いを攻撃し合う戦争をオムニックにやらせるようになります。
代理戦争です。
そしてある日、突然事件は起きます―――オムニック・クライシスです。
オムニックは反転して人類を攻撃し始めました。
戦争の激化、オムニックに効果的なウィルスプログラムの存在、自我を持ったオムニックの魂の反乱・・・
原因は現在も語られていませんが、オムニックたちが人類に牙を向けたのは事実です。
詳しい話は省略しますが、オムニック・クライシスを収めたことでオーバーウォッチは名声を得ます。
オーバーウォッチにより世界は再び平和を取り戻すことができました。
しかし、オムニックに対する人たちの心はどうでしょう。
平和活動としてオムニックを隔離するのも、いったんの措置としては許されるのかもしれません。
しかし「我々から距離を置く」というのは「相手を理解する」も難しくしてしまいます。
心に深い傷跡を、そして傷跡の治療を、人類は拒絶してしまいました。
オムニックに対する恐怖、敵対心を取り除く ”なにか” が無いと社会は変わりません。
時を同じくして、世界各地でオムニック紛争が発生します。
事件はキングスローだけではないのです。
―――時は流れ、その “なにか” を起こすべく、ひとりのオムニックが立ち上がります。
そのオムニックを取り巻く事件、さらに続くヴィラン達の動きが、キングルローの現在に繋がります。
[後半に続きます]
コメント
こういうステージの背景記事凄い好きです!