カジュアルユーザには届きにくい意見のひとつに「タンクを撃つな」があります。
タンクを撃つな、バックラインを撃て
プラチナ以下のレート帯では、DPSはダメージを出せば良い、いわゆるダメージこそ正義です。
しかし、高レートに上がるほどダメージだけでは通用しません。
高レートで飛び交うアドバイスの多くに「バックラインに圧が無い」だとか「タンク撃ちすぎ」があります。
今回は、なぜタンクを撃ってばかりではいけないのか、を研究して上達のヒントを見つけたいと思います。
本記事で、バックラインを攻撃することで戦況を動かす、ゲームメイクのヒントが見えてくると思います。
と同時に、バックラインを攻撃するべきではあるものの、やっぱり未熟な間はタンクを撃つべきである、という当ブログの自論についても述べたいと思います。
タンクを撃っても戦況は動かない
いきなりですが、タンクを撃っても戦況が良くなることはありません。
それは、なぜでしょう?
まずタンクという言葉の意味についておさらいします。
用語「タンク」はFPSではあまり使われず、むしろPRGに多く使われるゲーム用語です。
直訳すると、貯蔵庫、戦車。
ダメージをどんどん吸収する、どんどん前進していくというイメージから生まれた言葉。
敵の注意を引き付け、チームが受けるであろうダメージを肩代わりする、という意味が多い。
OW2においても、その側面は同じ。
なぜ、タンクを撃ってもゲームを動かせないのか。
文字通りタンクはダメージ吸収係です。
――― ダメージ吸収することを目的の1つとするタンクに攻撃する。
敵タンクからすれば、当たり前の現象、なんの意外性も無い。
当たり前のことだから、当然ながら対応できる。
これではゲームは動かない。
逆にどういうときにゲームが動くかというと、それは相手の意外性を付いたとき、対応できないような状況に追い込んだときです。
バックラインを撃てば「事故る」
戦況を動かすもっとも基本的な考えが「バックライン1を撃つ」です。
――― バックラインを撃たれたチームは事故る
これを聞くと、偶然発生するワンピックを狙ってるんだろ?と感じます。
しかし、そんなシンプル理論ではありません。
「事故」は作れるんです。
それではもう一度、タンクばかりが撃たれるシーン、つまり、事故らないシーンを撃たれる側の視点で考えます。
1.タンクがチームの先頭に立つ
2.タンクが敵の攻撃を受ける
3.サポートがタンクをヒールする
この状況はとても安定しています。
ダメージを受けるロールであるタンクと、味方を回復するサポートが落ち着いて自分の仕事をこなしている状況です。
では、バックラインが攻撃されるシーンのメカニズムを考えます。
1.タンクがチームの先頭に立つ
2.タンクが攻撃を受けるが、同時にバックラインも攻撃を受ける
3.回復の優先順問題が発生する
4.サポートの回復にズレが生じ始める
5.メンバーが予想している流れとズレ
6.事故る
という戦況が発生します。
ポイントは3番目の「回復の優先順問題」です。
バックラインが攻撃されるのは、タンクが攻撃されるのとはわけが違います。
当たり前ですが、被ダメの危険度はタンクとバックラインで全然違います。
例えば上画像にように、バックラインがダメージ受けた場合、サポートは即時対応が求められます。
同じ100ダメージでも、このダメージを放置されるとDPSは簡単にデスします。
ダメージが発生するのは瞬きのような一瞬ですが、その一瞬で即回復しないといけない場面に変わります。
これだけでチームに緊張が走ります。
「回復の緊急性」だけではありません。
「順番」の問題も発生するのです。
――― タンクとDPSが被ダメした
この状態においてデスに近いのはDPSです。
一概に言えませんが、DPSを回復した方が良いでしょう。
順番としては、DPS → タンク、の順で回復すれば良いですね。
うん、これならそんなに慌てなくても処理できそう・・・!
しかしここにもう一つ、他の要因が加わったとしたら?例えば・・・
――― タンクとDPS(A)、DPS(B)が被ダメした
どうしましょう、緊急回復が必要なDPSが二人もいます。
どっちのほうがデスしそう?
回復が届くポジションにいる?
こうなってくるとサポートが判断ミスのも時間の問題ですね。
上のように、「バックライン攻撃」はサポートの想定を崩壊させます。
サポートの処理能力オーバーを狙う動き、と捉えてもらっても良いです。
そしてこうなると、4番目の「チームメンバーが予想している流れとズレ」に繋がります。
例えばタンクはサポートをヒールを前提に動いています。
そのサポートが機能不全に陥ってしまうとなると、これまでたっぷり届いていたヒールは無くなってしまい、タンクデスの危険性が一気に高まります。
「このバックラインへの攻撃から生まれる一連のズレ」、これこそが事故を作るわけです。
結果としてワンピックに繋がる動きですが、そこには事故るために敵の処理能力を圧迫させる工夫が存在しています。
まさしくこれがバックラインへの圧というモノでしょう。
偶発的なワンピックを狙うのではなく、その事故確率そのものを上げるための動き、これが「バックラインを攻撃すること」なのです。
それでもタンクを撃つ意味
というわけでバックラインを攻撃することが戦況を動かすきっかけなわけですが、当ブログでは「初心者はタンクを撃て」を推奨しています。
その理由は「バックラインを攻撃するセンスが身についていないから」です。
敵タンクを超えてバックラインを攻撃するためには経験と知識が必要です。
初心者だと
・バックラインを攻撃するタイミングがわからない
・バックラインを攻撃できるポジションを知らない
・バックラインに当てるエイムが無い
などの理由により、有効なバックラインの攻め方がわからず、効率が低いです。
そうであるならタンクを撃ちましょう。
タンクはデカい、それに一番前にいる。
そして同じ初心者同士なら、タンク事故死を狙えます。
「自タンクがデスする感覚を知らない」は初心者帯タンクあるあるです。
つまり、初心者タンクは無理プレイからデスしがち、その失敗が生まれやすいプレイをする。
敵タンクへのプレッシャーがうまくいけば、敵タンクは機能不全です。
そうなれば、自チームタンクの行動範囲が広がり、結果的に敵バックラインへのプレッシャーにも繋がります。
おすすめはリーパーとかですかね。
とはいえ、タンクしか撃てない動きだといつか頭打ちが来ます。
少なくともDPSはバックラインを攻撃する動きを研究してみましょう。
当ブログでもいくつか記事を作っていくつもりです。
最後に
今回の記事はゲームを動かすきっかけにフォーカスした記事です。
戦いの流れの中で「相手の攻撃を受ける」時間帯も存在します。
そういうときはタンクを撃ったほうが良いときもあります。
・常にバックラインを狙わないといけない
・常にタンクを狙わないといけない
そんなことはありません。
今、タンクを撃つとき、今、バックラインを撃つべき。
この切り替えセンスが難しい。
コメント
「バックラインの注釈を作る。このコメントが見えたら駄目」という文が残ってしまっているようなので一応コメントでお知らせをば。注釈は書かれているようなので、単純に消せばよさそうに見えます
arigato!
https://youtu.be/O23u1HJsBl8?si=CEvKUs_qeN2zfewr
以前より記事を見て勉強させてもらっており、解説としてプラチナ帯レベルの人間としてはいい解説だなぁと思ってました。
最近日本代表の解説にタンクに圧をかけてエリアを広げてからバックラインに絡むというここで解説されている物を複合した話が進められておりそれもまた感心していました。
何がいいたいのかと言うとowは解説するのも難しければ段階に応じて必要な知識が違うのが大変だということです。
いつも記事には初心者視点ではこうするのもありとか、初心者には中級者以降には等あるので
基本問題ないのですが、今回の記事は中級者以降のためにそういった観点の補足もあってもいいのかなと思いました。
自分のプラチナレベルでは結局タンクに圧かけても試合が動かない場合バックラインに絡んだり、何かきっかけを掴む必要があるので間違ってるところは個人的にはないと思うのですが知識として足りない可能性があるのでコメントさせて頂きました。