アンチピックの意外な罠!?

脱初心者

オーバーウォッチ初心者が最初に学ぶべき戦術はリグループです。
その次ぐらいにくるのがアンチピックになるでしょうか?
アンチピックは覚えやすいがゆえに罠が潜んでいるのです。

キミは本当にアンチピックできてるか?

アンチピックは多少の座学でマスターすることができます
パッチなどの環境によってアンチ関係が崩れる場合もありますが、絶対的なアンチ関係は覚える価値がオオアリです。
というか、アンチピックを覚えないとOWでは勝てません

絶対必須のアンチピック。
しかし、ピックだけで完成しないのがアンチピックです。
そのピックがアンチである理由を理解して、カウンタープレイ1につなげてアンチピックが完成するのです。

多すぎ!カウンタープレイを理解したつもりプレイヤー

ここまでの内容には「ウン、ウン、その通り」と同意いただける人も多いでしょう。
しかし、今回お伝えしたいのはこの先の話です。
カウンタープレイを「理解したつもりプレイヤー」がめっちゃ多いです。
カウンタープレイをマスターするまでの道のりはとても長いです。

カウンタープレイとはヒーロー間の得意・不得意で生じるギャップを攻略する戦術です。
この得意・不得意の表面部分、浅い部分を理解するのは非常に簡単です。
なんなら覚えるだけでいいです。
ですが、質の高いカウンタープレイは深い経験の先にあります。
逆に捉えると、みなさんが今までアンチピックだと思っていたプレイは、まだまだ伸びしろがあるということにもなります。

質の低いアンチピックと質の高いアンチピックの大きな違いの一つに手札の多さがあります。
アンチピック(カウンタープレイ)が浅いと、無駄の多いプレイになり、またヒーローの価値を殺してしまうことにもなります。
理解が違っている場合にはアンチピックにならないことすらあります。

手札の多いアンチピック、言い換えるとヒーロー解像度(理解度)の高さからくるプレイ。
実際にどんなものかを説明するのは難しいですが、ここから先では具体例を交えて考えていきたいと思います。

カウンタープレイ:狭い手札と広い手札

メタルレートプレイヤーで見られるもったいないプレイを例を分析してみます。
(未熟な分析、失礼いたします)

OW2でめちゃくちゃ重要なマッチアップであるリーパー vs ウィンストンを題材にします。

●リーパーの強み
近距離で発揮される無類の火力。
バリアがあってもお構いなしに破壊の限りを尽くします。
一方、その強みを発揮するために近づく工夫が必要です。

●ウィンストンの強み
破格の移動能力。
敵タンクを飛び越えバックラインへの特急券を持っています。
一度近づかれると最後、確定ヒットのビリビリでバックライン2を仕留めにかかる。

今さらになりますが、リーパーがゴリラのカウンターである理由をおさらい。
近距離高火力のリーパーに対し、飛び込んで距離を詰めるゴリラですが、リーパーからすると距離を詰められるのは嬉しい限り。
ゴリラからするとリーパーのショットガンが怖すぎてジャンプに躊躇すら覚える。


しかし、上で説明したアンチである理由はほんの表面的な部分です。
表面しか理解していないとリーパーの使える手札は少ないです。

とはいうものの、間違いではないように感じますね。
浅い理解からくる未熟なアンチプレイに落とし込んでみようと思います。

敵のウィンストンが手強い!
なにが手強いって、味方サポート(アナ)が溶かされまくる!
満を持してのリーパーピック!
よし!リーパーでゴリラを待ち受けよう!
のストーリー。

このプレイングは結構多いです。
このプレイが通用することもありますが、完璧な答えではないと思います。

状況によって変わってくるのはOWの常識ですが、上のポジショニングで言えることがあります。
それは、ウィンストンが飛び込むまでリーパーの火力を持て余してない?、です。

ウィンストンがいきなり飛んでくることは少なく、そのタイミングを見計らって飛んできます。
最初に発生するタンク同士の睨み合い。
この場面にリーパーが参加できないのは大きな損失ではないでしょうか?
アナの近くからショットガンをぶっ放してもダメージが通らないのは当然です。
この状態が続くと、(敵ゴリラ+敵2DPS) vs (味方シグマ+味方DPS)で戦わなければいけません。
じわじわとシグマが押され込み、ペイロードも進んでいくことでしょう。
そして味方が焦ったところにウィンストンジャンプ。
ここでようやくリーパーの出番ですが、そのころには味方が重要スキルを消費しているかもしれません。


リーパーの強みを理解して、強みを発揮できる場面を作っていくリーパーだと。

いい感じに手札が増えました。
この手札がどれだけ強力なのか、具体例に落とし込みたいと思います。

前回立ち回りとの違いは、リーパーがカドを使ってタンク線に混ざっていることです。

①カドを使うことで被弾を抑え、かつ敵ゴリラとクロスレンジ。
リーパーは近づけば強い、の状態を自分から作っている状態です。
これならリーパーの火力が無駄になる時間帯は短くなり、効果的に火力を出せます。
ultが溜まりやすくのは言うまでもありません。
そして、このムーブがさらなる付加価値を生み出します。

②ヘルス管理ミスのプレッシャー
ここ、重要なのでウィンストンをプレイしてるつもりで考えてください。
眼の前にリーパーがいたらどうですか?
めっちゃ集中しなきゃだめですよね。
高火力でしかもダメージ計算しにくいリーパー、一瞬の油断がゴリラのデスに繋がります。
ということで、敵(味方アナ)に飛び込もうという余裕は削られます。
場合によってはここでバリアを使っちゃいます。
そうなったら飛び込めません、無駄に時間を使ってしまったことになります。

③セットアップ妨害
さらに重要なのがこっち。
そもそもウィンストンに飛び込ませるタイミングを作らせない動きです。
ウィンストンへ高火力で牽制することで、ポジションを下げしまうかもしれません。
やりましたね!
これでウィンストンが飛び込んでもアナには届きません

ウィンストンが下がったせいで、アナとゴリラの距離が伸びました。
ジャンプしても届かないかもしれません。
それにカドがあるので角度も変わりました。
もはやアナに直接飛ぶことはできないかもしれません。
まだまだあります、セットアップ妨害。
ウィンストンにとって重要なジャンプ先確認を妨害しています。
ウィンストンにとって、ターゲット(味方アナ)がどこにいるかは非常に重要です。

ゴリラ視点:ジャンプ前に敵状態をチェック

アナがどこにいるのか、現在HPは?、スキルの使用状況は?
これら状況をからウィンストンは飛び込むタイミングを見出します。
しかし、リーパーに押し込まれてしまったら・・・?

リーパー「アナのチェック?壁の状態でもチェックしてろ」

ウィンストンはアナの状態をチェックできません、壁しか見えません。
無理にチェックしようとするとリーパーにぼこぼこにされる。
これが敵の時間浪費を生む、まさしくカウンタープレイになっているのです。

もちろん、リーパーをアナで守るという動きも大切です。
このマップであれば、アナの基本ポジが悪くなければリーパーのシャドウステップで合流できるでしょう。
この理解があるからこそできる動きです。
リーパーの強み、敵が何をしたいか、マップとの相性、敵の動きに対する対応、このような複数の要素を総合的に捉えた動きがカウンタープレイなのです。

ソフトOTPのすすめ

本記事でとにかく伝えたかったのは、下図の左を大正解だとしていてはダメだということです。
そしてそれはアンチピックばかりを信じて、コロコロピックチェンジする―――
―――つまり、ヒーロー経験値が蓄積していないということかもしれません。

それで通用するレート帯もありますが、まだまだ成長できます。
自分が完璧に理解していると思っているヒーロー間相性も複雑で奥の深いモノだと再認識しましょう。

では、どうすればカウンタープレイが身につくのか。
この問題はとても難しいです。
一言でいうとOW力を高めなければいけないのですが、OWが深すぎるのはみなさんご存知の通り。
加えて、プレイヤーひとりひとりの足りないところを理解する方法論も現在存在していません。

―――と、それでは最初の一歩も踏み出せない。
本記事では、かなり変な話に聞こえるかもしれませんがソフトOTPをおすすめします。
当記事におけるソフトOTPの定義は以下です。
・似た系統のヒーローから1ヒーローに絞る
・勝っている時にピックチェンジしない

「似た系統のヒーローから1ヒーローに絞る」の理由は、経験値を分散させないためです。
例えば、ソルジャー、アッシュ、キャス、ソジョは中距離ヒットスキャンということで似た性能を持っています。
コロコロと感覚でピックチェンジせず、ヒットスキャンがほしい場面だったら1ヒーローに決め打ちして練習しましょう。
そうすることでそのヒーローのやりこみに繋がります。

ヒーローのやりこみ、それこそがヒーロー理解だと思います。
だからこその「勝ってる時のピックチェンジをしない」です。
オーバーウォッチはヒーロー間の相性だけで有利不利はきまりません。
マップ相性や立ち回りで最終的な優劣が決定されます。
勝っているとき3に敵がアンチピックをしてきた、ここであえてピックを変えず、不利な状態での経験値をためましょう。
不思議な話ですが、不利な状態でヒーローを練習するからこそ、そのヒーローを活かす道、つまりヒーローが得意とする強プレイが見えてきたりします。
メタルレートだとピックを変えたせいで勝ちムードが逆転したりもありますしね(笑)

結局ヒーローをやり込むしかないんかい、という反論をいただきそうです。
ですがその通り、最強の上達法はやりこみです。
リーパーvsウィンストンの例でサラッと書いた「カドを使ったリーパー」。
このリーパーのカドの親和性はやり込まないと掴めません。
この記事でカド&リーパーを理解したと思ったら大間違いです。
それこそこの記事で書ききれていない戦術が眠っているのです。

「理解するだけでOK」と思っていた人がこの記事で新たな発見をしてくれることを願っています。

続きを読む: アンチピックの意外な罠!?
  1. 適切な用語が浸透してないため本記事では「カウンタープレイ」と呼びます。カウンタープレイの概要は前記事にて。
  2. DPS、サポートのような体力の少ないタンク以外ヒーロー
  3. 負けてるときにピック変更しないとトロール認定されるので注意

コメント

  1. 匿名 より:

    2になって大袈裟なアンチピック表が出回ったり、立ち回りを棚に上げてピックばかり気にかけるプレイヤーが増えたと思う。
    こういう深くツッコんだ記事は貴重です。応援しています。

  2. 匿名 より:

    記事の内容はとても参考になりますが例に出されているキングスロウ最終の画像のリーパーの動きだと画像手前の高台を取られて結局しんどいですね。
    シャドウステップで先に高台を取れればジャンプ先をひとつ潰せる上にウィンストンがタンク勝負を選択してもアナへのダイブを選択しても高台を降りて加勢に向かえるのでなお良い気がします。